30年度後期講座だより なごや・なかむら学~地域と文学~
平成30年度から、生涯学習センターの職員が市の主催講座にも大きくかかわってきています。今回はその中から見出しの講座「なごや・なかむら学~地域と文学~」について、お伝えします。11月8日(木)の秋晴れの日、同朋大学との共催で開催されました。会場は同朋大学のDoプラザ(円形建物)1階ホール。ちょうど、昔の有松中学校の円形校舎のような建物です。中には「喫茶」や「販売店」も入居している建物でした。午前10時10分集合、40分開始で90分間の講義形式の講座でした。第1回目の講師は、同朋大学専任講師の箕浦尚美先生です。大阪大学文学研究科で国文学を専攻されて、「お伽草子」や「天野山金剛寺」等関連のご研究の造詣の深い先生です。
第1回は、「古典文学に見る尾張国」というテーマで、「姥皮(うばかわ)」の話を中心に講義していただきました。尾張の国「甚目寺」に伝承されているこの物語は、「鉢かつぎ」的な物語で、美しい姫が「老婆の姿」になる皮をかぶり、貧しい身なりをして下働きしていた貴族の若君と結ばれるというハッピーエンドの物語です。中村区に近い「甚目寺」にも室町時代の物語が残っていることにびっくりするとともに、残り3回の講義も楽しみになりました。参加者の中には「生涯学習センターの講座で同朋大学を初めて訪れる機会を得て、よかった。最新の研究を直に聞けるし、大学生に戻った気分も味わえた。」という感想を言ってみえた方もいました。次回以降の予定は、「江戸時代名古屋の書肆・古書肆(服部仁同朋大学特任教授)」「庄内川と古典文学~『日本霊異記』尾張国の力ある女(大脇由紀子同朋大学文学部講師)」「中世尾張の僧侶無住の『沙石集』とその説話(箕浦尚美同朋大学文学部専任講師)」の3回が予定されています。残念ながら、公開講座ではありませんので、ご承知おきください。今後も地域の教育専門機関である大学との連携・共催の講座が企画されますので、その機会には多くの皆様に奮って参加していただきたいと思います。